IT担当者必見!社内のパスワード管理を強化する方法
「パスワードは個人任せ」になっていませんか? サイバー攻撃の多くは、実は“人”と“パスワード”の隙を突いています。特に、企業内でのパスワード管理が甘いと、たったひとつのアカウントから重大な情報漏えいにつながるリスクも。本記事では、IT担当者としてぜひ押さえておきたい「社内のパスワード管理を強化する具体的な方法」を5つの視点から解説します。NISTの最新ガイドラインをふまえた現実的なルール策定から、ツールの活用、社員教育まで、実践的なポイントをまとめました。
なぜパスワード管理が重要なのか?
企業のセキュリティリスクの多くは、適切に管理されていないパスワードに起因しています。弱いパスワードや使い回しが原因で、サイバー攻撃の標的になるケースが増加しています。特に、フィッシング攻撃やパスワード流出による不正アクセスは、企業に大きな損害をもたらす可能性があります。
パスワード管理を強化する5つのポイント
1.パスワードポリシーの策定と徹底
パスワードの強度を保ちつつ、ユーザーの利便性も損なわないために、NISTの推奨を参考に、以下のようなルールを設定しましょう。
Note
NISTとは、米国国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology)の略称です。サイバーセキュリティフレームワーク(CSF)を策定し、世界中の企業や組織がサイバーセキュリティ対策を強化するよう支援しています。
- パスワードは最低8文字以上(※15文字以上の「パスフレーズ」形式がより安全で推奨されます)
- 大文字・小文字・数字・記号の組み合わせは任意(複雑さの強制よりも長さが重要)
- 定期的なパスワード変更は不要(ただし、不正アクセスの兆候がある場合は速やかに変更)
- 過去に漏えいしたパスワードの使用は禁止(漏えいデータベースとの照合が推奨されています)
- パスワードの使い回しを避ける(特に業務システム間での再利用は危険です)
NISTの最新ガイドラインでは、複雑な文字列よりも十分な長さを持ち、不要な定期変更を避けることが推奨されています。頻繁な変更を強制すると、かえって予測しやすいパターン(例:Spring2024! → Summer2024!)になり、セキュリティを損なう恐れがあります。
2.多要素認証(MFA)の導入
MFAを採用することで、パスワードが漏洩しても不正ログインを防ぐことができます。
特に、
- ワンタイムパスワード(OTP)
- 認証アプリ(Microsoft、Google Authenticatorなど)
- ハードウェアトークン
などの方法を検討しましょう。
3.パスワードマネージャーの活用
Zetetic Codebook(弊社にて活用中)や1Passwordなどのパスワードマネージャーは、従業員が強力なパスワードを安全に生成・保存するのに役立ちます。これらは暗号化されたデータベースアプリケーションを利用しています。
主な利点は以下の通りです:
- 強力なパスワードの自動生成と安全な保存
- パスワードの使い回し防止
- 自分のパスワードがセキュリティ侵害で漏えいしていないかの確認
- パスワード入力の簡便化
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4.アクセス管理の厳格化
最小権限の原則( PoLP:Principle of Least Privilege ) を適用し、必要最低限のアクセス権のみを付与しましょう。また、Microsoft 365 PIM などの「必要なときだけアクセス権を付与する(Just in Time)」ソリューションの活用も検討してください。
さらに、
- 定期的にアクセス権を見直す
- 退職者や異動者のアカウントを適切に管理する
といった運用を徹底しましょう。
5.社員教育と定期的なセキュリティ研修
IT担当者だけでなく、全社員がパスワード管理の重要性を理解することが不可欠です。
- フィッシングメールの見分け方
- セキュリティ意識を高めるトレーニング
- 定期的なテスト(模擬攻撃など)
を実施することで、社員のリスク意識を向上させましょう。
弊社内では、セキュリティトレーニングの受講に加えて、社員が月に1回、日経ネットワークの記事をもとにITやセキュリティに関するクイズを作成し、それをTMCという業務アプリ上で毎日1問ずつ出題(True/False形式)。日々の業務の中で、セキュリティ意識やIT知識の定着を図るユニークな取り組みを行っています。
まとめ
パスワード管理の強化は、企業のセキュリティ対策の基本です。特に、IT担当者や経営層が率先してポリシーを策定し、適切なツールの導入や教育を実施することで、情報漏えいのリスクを大幅に低減できます。まずは、貴社のパスワード管理の現状を見直し、できるところから改善を進めてみてはいかがでしょうか?
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