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SPO移行後にファイルが開けない?原因と対策を徹底解説!Part1

SharePoint Onlineへ移行した後に 『ファイルが開けない!』というトラブル に直面していませんか?本記事では、SPOのフォルダー構造やURL制限、アクセス管理の違いを解説し、実践的な対策を紹介します。検索性を向上させるためのメタデータ管理方法も詳しく解説します。

オンプレミスからクラウドへ

すべての拠点でオンプレミスサーバーを廃止し、クラウドへ移行する!

外資系企業ではよくあることですが、グローバルITの指示でプロジェクトが各国の現地拠点に展開されることがあります。ある企業では、グローバルITマネージャーからの一斉号令に従い、ローカルITチームはこれまでのファイルサーバー運用を見直し、ファイルサーバーのクラウド化を行うこととなりました。

その際導入されたのが SharePoint Online (SPO) です。

オンプレミスのファイルサーバーからSPOへの移行は、コスト削減、業務効率の向上やセキュリティの強化が期待される一方で、これまでの運用とは異なるため、実はさまざまな問題が隠されています。

これは、単なるサーバー移行ではなく、オペレーションやプロセスを変える大きな挑戦でもありました。

不安的中

そして移行は無事完了。しかし、ローカルITチームには漠然とした不安が募ります。

本当にこのまま進めて大丈夫なのか?エンドユーザーはついてこられるのか?

不安は的中し、実際に運用を開始すると現場からは戸惑いの声が上がり始めました。

エラーが出てファイルにアクセスができません!

一体何が問題だったのでしょうか?問題を整理してみましょう。

SPOの制約と現場の混乱

デットラインが決まっており、丁寧に進める時間も無いため、現場ではなるべく混乱が少ない方法として従来のやり方をそのまま継承しようとしていました。

  • フォルダーごとにアクセス権を設定
  • ファイルサーバーと同じフォルダー構成をそのまま継承

しかし、SPOはオンプレミスのファイルサーバーとは全く異なる設計思想を持っています。その為、従来のフォルダー構造を継承する方法を取った結果、度々ファイルがエラーで開けない問題が発生してしまいました。何故でしょうか?

ファイルサーバーではフォルダーからさらに項目ごとにフォルダーを作成し、年次、クライアント等さらにカテゴリー毎に深いフォルダー構造で管理している企業が多いでしょう。

しかしながらSPOでこのフォルダー構造をそのまま利用しようとすると、今回の様に「ファイルがエラーで開けない!」という問題に直面します。

Warning

原因:フォルダー構造が深すぎて、文字制限を超えてしまった。

では、SPOの特性を踏まえ、解決策を見てみましょう。

Share Point Onlineの特性

1.フォルダー構造の制限:

SPOでは、深いフォルダー構造は推奨されず、検索性を重視した運用が必要となります。(メタデータによる管理)

2.ファイルのURL(文字)制限:

ファイルをローカルPCに同期し、Windows Explorerから開く場合は256文字までの制限があるため、SPOでは開けるファイルでもローカルPCでは開けない場合があります。ファイルを開く時、二つのシナリオとその制限:

OneDriveの同期クライアント経由:

  • ローカルPCに同期されたファイルをWindows Explorerから開く際は、256文字の制限が適用されます。
  • フォルダー構造が深いと開けないことがあり、パスの短縮が必要になる場合があります。

ブラウザ経由:

  • SharePointのWebインターフェースから直接開く場合は、ローカルPCの制限を受けません
  • URLの長さ制限(最大400文字)の制限があります。

3.検索機能の活用:

深いフォルダー構造に依存せず、メタデータ管理と検索機能を活用することで、より効率的にファイルを見つけることが可能です。

SPOと従来のファイルサーバーとでは設計思想が異なるため、そもそも同様には使えません。SPOの特性に合わせた新しい運用が必要です。

解決策

それでは、問題を避けつつ快適に利用するには、どのような解決策があるのでしょうか?

  • メタデータ管理を活用し、フォルダー階層ではなく「列」で分類。
  • ライブラリを用途ごとに分割し、フォルダー構造をできる限りシンプルに。
  • 検索機能を活用し、フォルダーを開かずにファイルを見つけられるようにする。
  • 短縮した名称を使用する。
  • 短縮名称ルールを決めて統一する (例:「日付_プロジェクト名」がルールだったら、 20250107_ProjectName になります)

まとめ

SPO移行プロジェクトは、移行完了して終わりではなく、新しい環境に適した運用へと変化させることが重要です。SPOの特性を理解し、運用ルールを整備することで、クラウド環境のメリットを最大限に活かせるようになります。あるお客様はこのように共有していただいております:

最初は戸惑ったけど、検索機能を使うようになったら、逆に業務が楽になった!

こうした声が増えるように、適切な対策を講じながら運用を見直していきましょう。

次回:メタデータ管理の実践方法

Part2では、実際にどのようにメタデータを管理し、フォルダー構造の代替として活用するのかを詳しく解説していきます。これにより、検索性を高めつつ、快適な運用を実現する方法を探っていきたいと思います。

Microsoft-365著者: Ena読了目安: 4分

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